新しいJIS規格とカラーデータ
2000年秋に屈折補正用眼鏡レンズの新しいJIS規格が公示され、眼鏡業界では翌2001年4月を実施期限として準備が進められています。
新しいJIS規格は、製造に関わる部分ばかりでなく、安全性に関わる部分まで幅広く詳細に規定しているのが特徴です。
安全性に関わる部分は「基本的要求事項」にまとめられていますが、販売したレンズの「透過特性」をユーザーに知らせるために、レンズ袋または添付書類にデータ記載が要求されており、各レンズメーカーは実施期限までに表示の準備を完了します。
新たに染色カラーレンズに記載が要求されているデータは次の3項目です。
●分類 ― どんなカラーが施されているかを記載する。
無色レンズ : カラーが施されていない。
クリアレンズ : 濃度20%未満(視感透過率80%を越える)のカラーが施されている。
均一カラーレンズ : 濃度20%以上のフルカラーが施されている。
グラディエントカラーレンズ : 濃度20%以上のグラディエントカラーが施されている。
●カテゴリー ― 視感透過率の区分を0〜4の数字で記載する。
0 : 視感透過率80%を越える
1 : 視感透過率43%を越え、80%以下
2 : 視感透過率18%を越え、43%以下
3 : 視感透過率8%を越え、18%以下
4 : 視感透過率3%を越え、8%以下
●運転不適合性 ― 昼間や夜間の運転に不適合な場合にのみ記載する。
運転不適合:特定波長の減衰特性があり、信号を誤認する危険性があるので
昼間でも運転には適さない。
また、視感透過率が8%以下(カテゴリー:4)のレンズも運転には
適さない。
夜間運転不適合:視感透過率が75%未満のレンズは、夜間や薄暗い場所で
視力低下の危険性があるので、夜間や薄暗い場所での運転
には適さない。
一方、ユーザーにこの情報を伝える役割は、販売店の皆様にお願いすることになりま
すが、完成品お渡し時はもとより、染色受注をする際にも運転不適合性などを伝え、
商品特性を正しく理解してもらう必要があります。
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